iEXPO2008

iEXPO2008に行ってきました。

実はメインの展示と思われるスカイクロラの3D版を見逃してしまったようでとても残念です。
以下は私が見学してきた中で、私の印象に残った展示のメモです。

NGNを利用した高品位な遠隔会議

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会議ソリューションと銘打っているとおり、2者間のテレビ電話とPowerpoint形式の資料共有を実現している(ConforMeetingという製品)。

テレビ電話用の音声と動画はNGNを使って帯域確保しているようだが、資料共有はインターネットVPNで実現しているとのこと。

日本のNGNSIPプロトコルを使わなくちゃいけないというのが前提であるというのが通説です。その解決策として、UNIVERGEのIXルータ(参考出展)がアプリケーションの代理でSIPセッションを張ってくれるらしいです。今はユーザ要求によるオンデマンドで動作できるわけじゃなく、最初にSIPセッションを張ってから、テレビ電話を始めることで暫定的にNGNのメリットを享受できるという話でした。

資料共有の機能は少しながら(1秒未満)遅延があるのですが、これの原因は処理遅延とのこと。つまり、サーバ性能およびそこでの処理がボトルネックになっているようです。そのため、回線をインターネットVPNからNGNに変更したとしても、レスポンスは変わらないのではないかというのが、説明員の方からの説明でした。

・プリンタと水冷サーバ

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オフィス向けプリンタとスリム水冷サーバ(のケース)の展示。
説明のお姉さんはサンダーバードの格好をしているらしいのだが・・・。なんの意味があるんだろう、と思っていると後ろの画面にサンダーバードの映像が現れて、サンダーバード2号?3号?だかの映像と会話しながら、製品を紹介するという事の顛末でした。

VersaPro UltraLite(UWXGA液晶) f:id:hate_nattou:20210211201757j:plain 仮称ということですが、NECも液晶がワイドサイズなノートPCを出すようです。
同じくビジネス向けに強いPanasonicのLet's Noteは小型でワイドは今までは出していませんでした。最近になって、ちょっと大きめサイズのFシリーズでワイド液晶を搭載したみたいです。時代はワイドなんでしょうかねぇ。確かにワンセグやDVDを楽しみたい場合は必要ですけど、ビジネス向けにはあまり必要性を感じません。プロジェクターやスクリーンがワイドになってくれればいいんですけどね。

・iStorage f:id:hate_nattou:20210211201831j:plain "RAID"かと思いきや"MAID"とあったので、ちょっと気になって話を聞いてきました。
一言でいうと、「ハードディスクを使っていないときにディスクの回転を止めることによって省電力化する」ということ。ディスクの回転を止めるだけであって、コントローラの電源は切らないということです。ハードディスクはその始動時に最も電力を必要として、回転し続けるだけならそんなに電力は喰わないとの説明も。
あれ、説明が矛盾しているんじゃ?! と思いますが、一日に一回だけバックアップのために電源が入る装置、とかでは、総計すると省エネに繋がるかもしれないとの事。用途に応じて、MAIDを適用したほうがいい場合とよくない場合とがあるのだそう。
・Kapow Mashup Server Webコーディネータシステム

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KapowテクノロジーからソフトウェアのOEMを受けて、NECがSIするそうです。既存のWebシステムから情報を収集して別なデータベースに集約し新システムを作成するとき、もしくは既存のWebシステムをそのままにして統合システムを構築するときに活躍するとのこと。
他の使い方としては、企業がウェブサイトで公開しているIR情報を収集して、その情報をまとめて分析し、他の企業に販売するという例を出していました。"情報をまとめて分析" というところに付加価値が出せるなら違法性はないですよね。IR情報に書いてある問い合わせ先(メールアドレス)を収集して、迷惑メール業者に売ったら・・・違法なんじゃないですかね?
※ このソフトに違法性があると言っているわけじゃありません。

・IT/NW統合を実現する新世代ネットワーク

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北米主導のGENI(ジニー: Global Environment for Network Innovations)で検討されているOpenFlow技術の説明。プログラマブルフロースイッチとありますが、制御サーバがネットワーク上での神様になって、ルータ群がその言うことを聞いてフローを流していくイメージで しょうか(あえて"パケットの転送"とは言っていません)。

今のNGNでは、SIPの信号をSIPサーバが解釈→RACSへ通知→ルータへ制御命令を出すというSIPサーバ主導の仕組みとなっています。対して、このGENIではフローのファーストパケットをスイッチが受信したときに制御サーバに問い合わせるというスイッチ主導の仕組みです。
ちなみに、前者はヨーロッパ勢(3GPPなど)が、後者はアメリカ勢(GENI含むその他企業)が推し進めているイメージです。

すぐにビジネスに繋がるという話ではなさそうですが、このような次のテクノロジーを巡る争いというのは見ていて参考になることが多いです。

・衛星関連 f:id:hate_nattou:20210211202123j:plainf:id:hate_nattou:20210211202125j:plainf:id:hate_nattou:20210211202128j:plain

写真ボケボケですね。

国際宇宙ステーション「きぼう」と超高速インターネット衛星「きずな」関連の展示です。

今はこのきぼうと地球とで通信する際にNASAを経由しているそうですが、近い将 来には独自の通信モジュールを取り付けることできぼうと日本側で直接通信が可能になるそうです。