最近のテレビ事情 Part3 チューナを分離する意図は?

今までのテレビは "チューナ搭載型(ディスプレイの中にチューナが内蔵)" が大半を占めていました。今回調査した中でTOSHIBA, Pioneer以外のメーカは "チューナ分離型" をシリーズの中核として据えています。

なぜここにきて、チューナ分離型を発売し始めたのでしょうか?
テレビを薄型化して、スタイリッシュにするという必然性は確かにあるでしょう。
しかし、ビジネス的にはそれだけが理由ではないと考えます。

今後、アナログ停波/デジタル化 によって、テレビの中に搭載されていたアナログチューナは使用されなくなり、デジタルチューナが主に使用されることとなるでしょう。アナログのときもそうでしたが、デジタルになっても国ごとに放送の規格が異なるということは変化がありません。
そのため、チューナを分離し、ディスプレイ部はチューナを非搭載とすることで、ディスプレイ部は各国共通のコンポーネントとなりグローバルに製品展開ができるようになるわけです。チューナ部だけ国別に作る必要がありますが、米国のようにチューナを必要としないお国柄もあります(ケーブルテレビの普及率が高いため、セットトップボックスがあれば電波用のチューナは不要。セットトップボックスとディスプレイ部をHDMI接続する)。

これまで、日本のテレビメーカーは チューナ分離型 には反対の立場を取っていたと聞いています。なぜなら、テレビを映像を表示するだけの装置(モニター)としてしまうと付加価値が付けられず、最終的にアジアの国々(特に中国、韓国)との価格競争で負けてしまうからであると推測します。
今回の "チューナ搭載型→分離型" の思考切替は製品のグローバル化の一環だと考えます。パネル開発競争はそろそろ一段落してくるでしょうし、これからはチューナ部をどうやって高機能するかという競争になっていくのではないでしょうか。

ちなみに、私みたいにテレビの内蔵チューナーをほとんど使っていなくて、HDDレコーダーばかり使う人にとっては、チューナ非搭載のディスプレイだけを販売して欲しかったりします。近い将来、日本国内でもチューナ非搭載で販売するようになってくれませんかねぇ?