Interop2010

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昨年の入場者数と比較すると、多少減ったような印象を持ちました。
昨年の記事はこちら。

lsp.hatenablog.jp

偶然にも、ほぼ同じアングルから写真を撮っているわけですが、昨年/今年を比べてみると一目瞭然です。

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毎年、よく中身もわからずShownetの機材を見ているのですが、Shownetの機材のLEDランプのチカチカを見てると、これがネットワークだよなぁと実感しますね。

個別の展示や受講したセミナーのまとめについては、以下をどうぞ。

VERIVIEW VODサーバ

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SSD並列化により、DRAM上にコンテンツをキャッシュして配信するのと同じだけの性能を出せるようになったとのこと。内部バスがボトルネックにはなっていないとのことだったので、内部メモリへのアクセススピードがボトルネックになっている可能性もあるなと推測。

ARRICE アドインサーションシステム

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SCTE-130という米国主導のコンテンツ挿入APIに準拠しているとのこと。
SCTEって日本ではマイナーな気がしますが、北米では結構メジャーな規格のようですね。前にモトローラの人もSCTEについて語ってた記憶があります。
このアドインサーションのベンダーはSeaChangeとARRICEが2大ベンダのようでARRICEのシェアは60%になるとのこと(米国)。
また、VERIVIEWのVODサーバとのIOT実績もあるようです。

au IS01 by Sharp

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http://au-is.jp/products/is01/
auから発売のSharpAndroid端末。
完全に見た目が電子辞書。
ちなみにキータッチも電子辞書ライクです。
一応電話も可能なのですが、スマートフォンとは言い難い形状。
触ってみると意外や意外、動作速度は快適。キーボードはブラインドタッチするものではなくて、両手で持って親指打ちするのであればOK。地デジ、赤外線通信などもあるが、逆手に取ると日本市場しか意識して無いことが見えて、もったいないなと思う。Sharpであれば、欧米でもそこそこの知名度があるんじゃないかと思うんだが・・・。

Sharp マルチディスプレイ

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フレーム部分の薄さが世界最狭とのこと。
薄型テレビバブルがそろそろ終焉を迎えているので、今度は法人用途(デジタルサイネージなど)に注力し始めたのか?それとも、展示会の趣旨に合わせただけなのか??

NEC LifeTouch

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6月9日の日経朝刊にも掲載されていたAndroid端末。
7インチワイドディスプレイに無線LANBluetoothを搭載し、家電との連携を視野に入れている様子。
展示では、電力/ガスの使用量の見える化やボタン一発で "お出かけモード" に家電全般(エアコンやドアロックなど)を切り替えるコンセプトなどを展示していた。
端末のハードはカマンギ社に頼んでいるわけではなく、自社オリジナルで作っているとのこと。CPUがARM Cortex A8で Qualcomm Snapdragonとは異なるわけだがその理由を質問すると「総合能力」との回答。おそらく、NECエレとARMは仲がよかったのでその繋がりでしょう・・・。
LifeTouchを触ってみると、昔に私が使っていたPalmVxを感じさせる使用感でした。何でかなと思って液晶操作方式について質問してみると、感圧式の液晶を用いていました。
爪の長い人(主婦とか)には感圧式のほうが操作しやすいので、主婦層への普及を目指しているのでしょうね。

ARM Cortex A8とQualcomm Snapdragonについて

ちなみに、調べてみたところ、Qualcomm SnapdragonはARM Cortex A8のライセンスを供与されて作っているのでコア部分は同じようです。iPadやiPhone4に搭載されているApple A4というSoCもARM Cortex A8ベースなんだけれどもキャッシュ容量とメモリアクセスの帯域幅を増量させています。それがユーザの体感速度の向上に繋がっているのかもしれません。
参考:http://www.zdnet.com/blog/gadgetreviews/apple-a4-vs-qualcomm- snapdragon-vs-arm-cortex-a8-benchmarked/13692

ケータイからテレビへ。HTML5がもたらす変化とW3C 夏野剛

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W3Cのアドバイザリボードを務めている夏野氏がHTML5について語る講演(のはず)。
最初は氏が購入したiPadに関する雑談から。
ガラケー(おさいふケータイ)とiPadの組み合わせは最強とのこと。
ガラケーと言って蔑んでいるようだが、ガラケーにしかない機能もあって世界の最先端を行っている部分もあるのだと弁解(おさいふケータイ、ワンセグ、リモートロック、セキュリティなど)。
特に携帯に関するデジタルコンテンツに関しては、日本で1兆円くらいの市場に育っている。そのうち2500億円がNTT DoCoMoiモード。これはAppStoreの売り上げよりも多いと思っている。
ただし、日本の携帯電話で2007年くらいまでは存在した "購入するときのわくわく感" がなくなっており、進化のスピードも遅い。

ビジネスモデル
AppleはiWorld(Mac,iTunes,iPhone/iPad/iPod)で顧客を囲い込むモデルGoogleWebServiceをユーザに使ってもらうモデル(Android系ビジネスは顧客囲い込みの手段ではない。その証拠にiPhoneに最適化したGmailも提供している。iPadGmailは凄い!とも。)
Androidのシェアは将来的に50%を超えると見込んでいるが、iPhoneのシェアはMAXでも10%程度だろう。それでも、顧客を囲い込んでのバリューチェーンができているので、Appleとしてはシェアが低くても負けではない。
それらを踏まえて、日本の通信事業者/端末事業者は今までどおりの "ものつくり" の精神でやっていったらダメだよと指摘している。

Innovationと通信技術 or 標準化
これまで普及してきたサービスを簡単に整理すると、Voice → Data →Lifestyle(Walletなど)。
これらの転換期は、通信技術(2G、2.5G、3G、LTE)などとは重ならない。
Innovationは標準化とリンクしている(日本は違うけど)。
WAP1.0はしくじったが、WAP2.0でインターネットの技術を取り込んだことによって欧米でのData利用は急速に進んだといえる。
NFC(Near Field Communication)が策定されたら、欧米でもおさいふケータイのようなサービスが普及し始めると見ている。
標準化については、先行者不利益というのもあるので慎重に推し進めるべき。
通信系の標準化は先行者不利益が起こらないように調整しながら進めてきた経緯がある、しかしながら、インターネット系標準化はガンガン進んでいる。
インターネット vs 通信業界
インターネット系企業であったAppleGoogleなどが先導して、通信業界に入ってきている印象。

HTML5の主要機能
Web Storage オフラインでのデータ利用
Web Socket ブラウザとサーバでDirectにデータのやり取りが可能。
      リアルタイム性の向上とサーバ負荷低減に役立つ。
Web Workers バックグラウンドでJavaScriptを実行できる。
Canvas

このHTML5のメイン拠点はMIT,ERCIM(ヨーロッパ), 慶応SFC。日本が3つのうちの1翼を担っているというのは素晴らしいこと。いままでインターネットの世界では日本がいつも出遅れてきたので、今回は巻き返すチャンス。
次のビジネスモデルの転換はHTML5を中心としたテレビであると主張する。
日本テレビ規格は南米で採用されたが、韓国製品が日本規格対応として売り込みをかけている現状にも触れ、日本企業へ "ものづくり" から "しくみづくり" への転換を促して講演を締めた。

夏野氏の講演内容については、Impressの記事も参考になります。
http://internet.watch.impress.co.jp/docs/event/irop_tk10/20100610_373293.html