概略
GCPの利用者宛に、以下のタイトルのメールが届きました。
[Action Required] To continue receiving your Free Tier discount, upgrade your F1-Micro VM to an E2-Micro VM by September 1, 2021
F1-microはGCPの無料枠の対象になっているので、1ヶ月間ずっと起動してても無課金。
この無料枠が変更になるようです。
どんな変更なのか、どういった対応をすればよいのか、F1-microとE2-microの比較について解説します。
変更される内容
変更内容を理解するために、メールタイトルを意訳しておきます。
[Action Required] To continue receiving your Free Tier discount, upgrade your F1-Micro VM to an E2-Micro VM by September 1, 2021
※ 意訳: 無料枠を使い続けたいなら、2021年9月1日までにF1-microからE2-microへアップグレードしてください。
今使っているF1-microを、E2-microへ変更すれば、無料枠のままで使えるみたいです。
続いて、メール本文を一部抜粋
On August 1, 2021, E2-micro Free Tier will be introduced. Follow these steps to change your machine type to E2-micro to avoid incurring charges for continuing to use F1-micro after August 31, 2021.
※ 意訳: 2021年8月1日からE2-microが無料利用枠として提供されます。2021年8月31日よりあとにF1-microの利用を続けることで課金が発生することを避けるためには、次のステップにしたがってマシンタイプをE2-microへ変更して。
8月31日以降だと、F1-microでも課金が発生してしまうらしい。つまり、2021年8月中にマシンタイプを変更すれば問題はないということ。
今後の対応
マシンタイプの変更は、作業内容としては難しくありません。
EC2のマシンを一旦停止して、マシンタイプをF1-microからE2-microに変更して、再稼働すればよいだけです。
ただ、サービスしているサーバで24時間365日止めてはいけないというマシンだと、厳しいですね。
F1-microとE2-microを2台とも立ち上げて、ロードバランサかDNSで切り替えるのかな。
私の場合は、そんなミッションクリティカルな運用はしていないので、好きなタイミングで切り替えをするつもりです。
けれど、“2021年8月に限る”というように期間を決められているのが面倒ですね。どうせなら、メールを送信した日から、E2-microを無料枠に含めてほしかった。
F1-microとE2-microの比較
type | vCPU | memory |
---|---|---|
F1-micro | 1 (1個の共有コア) | 614MB |
E2-micro | 2 (1個の共有コア) | 1GB |
type
F1-microという記載のため、F1シリーズというのがありそうに思えます。 しかし、下の図のようにF1は存在せず、どのシリーズに含まれているのか探すことに・・・。
実は、F1-microはG1-microとともにN1シリーズとして扱われていて、初期構築時にF1-microを探すのが大変だった記憶があります。
E2-microは、当然E2シリーズに含まれているので、初心者でも迷わず安心。
vCPU
共有コアの数は同じだけれど、vCPU(論理コア)の数が2倍。
他の人と共有せずに、1つの物理コアを専有できると解釈すると性能アップ?
単に、ハイパースレッディングをOFF->ONしているような意味あいだったら、性能はほとんど変わらないかもしれません。
CPUの世代が第1世代->第2世代に変わっているので、こちらの恩恵による効果が大きいことを期待したいところ。
memory
614MB->1GB へ1.6倍ほどの容量アップ。
何をするにでも614MBでは少なすぎたので、この変更はうれしい。
まとめ
無料枠/F1-micro/upgrade という単語を見て、これからは無料では使えないのかと一瞬ヒヤリとしました。 英語の中身を確認して、E2-microという性能アップ版へ変更すれば無料枠とし使い続けられるのでひと安心。
CPU性能はあまり変わらないか、少し良くなる程度。でも、メモリ容量が増えているので、体感の快適さはあがるかな。
GCPには、今後も無料枠(Always Free)を続けていってもらいたい。自分が無料で使い続けたいという意味もないわけではないが、自分を含めた初心者がクラウドを始めるための心のハードル(課金)を超えやすくし続けて、普及の後押しをしてもらいたい。