【PS4】十三機兵防衛圏

概略

PS4 十三機兵防衛圏のレビューです。

内容

YouTubeにあるプロモーションムービーはこちら。


買う前は、昔のPOWER DoLLSシリーズみたいなもので、ロボットシミュレーションだと思っていた。

バトルパートは確かにロボットシミュレーションなのだけれど、ゲームをプレイしている際の面白さの中心がストーリーになってしまうことが多いはず(それほど、ストーリーが素晴らしく面白いという意味)。

そのため、実際に感じるプレイ体験は、サウンドノベルに近い。
過去に「428 封鎖された渋谷で」というゲームがあって、そのプレイ感覚に近いかもしれない。

近いと感じた理由は、以下の2点。

  • 複数人の視点から1つのストーリーを追っていき、複数の観点から事象を見ていくことによって、真実を見つけ出すという点
  • 特定のキャラのストーリーを進めていくと、ある一定のポイントで、他のキャラのストーリーを進めるまでロックアウトされる点

サウンドノベル好き、SF好きな人には特にオススメ。 逆に、ロボットが出るからといって、アーマードコアバーチャロンのようなゲームを期待すると、期待はずれとなります。

感想

実は、プロモーションムービーを見ても、体験版をやっても購入しようという食指は動かなかった。

「中古価格で4,000円台に値下げされたらやろうかな」くらいの気持ちでいたのだけれど、全然値下がりしない。

夏休み×緊急事態宣言により、思いのほかおうち時間が増えたので、「いっちょやってみるか」という気持ちで始めた。

プレイ時間が5時間を超えた頃から、ストーリーの面白さがわかってきた。

いろいろなSF要素が入っているので、それを知っている人からすると、「次のストーリーはこうなるのだろうな」と仮説を立ててしまう。

その仮説がいい意味で裏切られていく。自分の立てた仮説を複数主人公の視点から語られるストーリーでアップデートしながら、ストーリーを理解していく。 このアップデートしながらストーリーを理解していく過程が、面白さとして感じられた。

体験版だと、この過程に到達する少し前で終わってしまうので、面白さに気が付けない。
隠れた名作になってしまっていて、ランキングなどの表舞台に出てこない理由が、この点なのだと思う。

自分の周りでも、このゲームの存在は知っていたけれどやったことない、もしくは全く知らない、という人が多い。他の人におすすめしたいゲームとして、本作が挙げられることが多いのは、とても頷ける。

SFという観点

SFという観点では新しい要素が入っておらず、既視感のあるSF要素を寄せ集めた感じ。
寄せ集めだから面白くないのかというと、まったくそういうことではなく、まとめ方やストーリー展開の上手さが際立つ。

YouTubeのレビューで、このゲームのことを「SF界のラーメン二郎」と言っている人がいた。
まさにそのとおりで、いろいろなSF要素という具材がてんこ盛りになっているけれども、1杯のラーメンとしてストーリーが完結している。
このあたりは、アニメ「Vivy -Fluorite Eye's Song-」にも通ずる点。

今作のオマージュとして、特に目立った部分。他にもたくさんあるはず!