スピーカー KS-1HQM

小さなスピーカーを買いました。

手乗り文鳥ならぬ、手乗りスピーカーです。

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これまで使っていた DIATONE DS-1000ZXと比較して、体積比でなんと「48.544分の1」。

audio-heritage.jp

発売日は2010年6月。

通販限定の販売で視聴することもできず、購入に踏み切ることがなかなか出来ずにいました。

東京マラソンで自己記録を更新できたら購入しようと決めていました。記録更新できたのですが、それでも購入をどうしようかと迷っていると視聴できるチャンスがありました!

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PCオーディオ入門講座 主催:日本オーディオ協会

ウェブサイトには 「使用デモ機: KS-1HQM」 と書いてあります。ニュースサイトで記事を見かけて、即刻応募しました。

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講座に参加してみると会場のスクリーン下にあった!

MacBook AirとUSBケーブルで直結してあります。

講座における視聴機材のメインは、YAMAHA Soavo-3 でKS-1HQMはあまり使われませんでした。でも、講座終了後にKS-1HQMを視聴することができました。

こんなに小さいのに、アンプも内蔵でびっくり。全体の大きさの4分の1程度はインシュレータ付きのオーディオボード。

高音が綺麗に伸びて、低音もサイズの割にはしっかりしている。

あっさり系なモニターっぽい音。でも、当然ドンシャリではない。

アンプ内蔵で、ずっと電源ONだったにもかかわらず、本体が熱くなってない。

オーケストラのように色々な楽器が混じっていたり、極端な高音/低音が同時に出力されるような場面を再生するのはちょっと苦手かも。

自宅オーディオと比べて硬い音なので、聴き疲れする可能性あり。

音量を大きくしていくと、ある一定音量を超えた所から余裕のなさが見えてくる。

YAMAHA Soavo-3 を聞いた直後の視聴だと、音の分解能という点でさすがにガッカリ感がある。(Soavo-3はKS-1HQMの値段の4倍くらいなのでしょうがない)

上のインプレには良くない点も書きましたが、全体を通して自分の想像を遥かに超えた出来栄えでした。

何よりも、オーディオボードがしっかりしていてサイズが小さいので、

"買って備え付けただけで何も悩まずいい音が出ること"

に惹かれました。オーディオ的楽しみ(ケーブル替えたり、セッティングを詰めたり)はないけれど、卓上スピーカーにはもっと気楽さが欲しかったのです。

2012年4月3日からは、下記のウェブサイトでレンタルすることもできるようになったみたいです。私みたいに視聴しないと購入できない性分な人にはありがたいかもしれません。

本格サウンドスピーカー「KS-1HQM」 | おかりなレンタル

普通のアクティブスピーカーじゃ満足できないっ!という人には、とてつもなくオススメです。

ただ、スピーカーが良くなると非可逆圧縮であるmp3やAACの悪いところも露出してしまいます。可逆圧縮なALAC、FLACなど(もしくは未圧縮なwave、aiff)にCDからエンコードし直す覚悟を持ってこの製品を買えば、至福のオーディオライフになると思われます。

もしくは、96kHz/24bitsなハイレゾ音源を楽しむのも、この製品の楽しみ方の1つです。

<以下、理系な話>

講座後の個別説明で、「KS-1HQMに搭載されているのは正確にはDACではなくてDDC」と教えてもらいました。

正確な仕様が公開されていないので間違っているかもしれませんが、私の推測では製品の動作の仕組みは下記のようになっているように考えられます。

Digital入力 ---------------------+
             DDC---PWM(変調)---増幅---LPF(積分回路)---Speaker
Analog入力 -A/Dコンバータ---+                  ※2
             ※1

※1: AnalogをA/D変換したあとのデジタル信号と他のデジタル信号(複数)がDDC部に入力される。
※2: LPFとSpeakerの間は増幅後のアナログ信号。

"PWM~増幅~LPF"がデジタルアンプ(D級アンプ)。SONYのS-MASTERやONKYOのVLデジタルもアンプについてはこの方式。ついでに、SHARPはPWM(Pulse Width Modulation)ではなくてPDM(Pulse Density Modulation)らしい。

"Analog入力---A/Dコンバータ" は、フルデジタルアンプという観点で見ると おまけ 的な存在ですね。逆にノイズ源になってたりするかも。

デジタルアンプはなかなか売れにくかった製品なので、PCオーディオで持てはやされている用語である「USB-DAC」という言葉を使ったのでしょう。ユーザが良い感触を抱くようにメーカが工夫した広告戦略の1つなのかもしれません。確かに、DDCにデジタル入力して、LPF後にアナログ出力されてますから、DAC(Digital to Analog Converter)と言えば広義の意味では含まれるのかも。