概略
DELLの液晶モニターには、DDM(Dell Display Manager)というソフトでパソコンからディスプレイの設定を変更できる機能があります。
映像ソースを変更したり、色温度を変えたり、ウィンドウの配置を最適に制御したり。
これまでWindows版しかありませんでしたが、2021年9月にMac版が登場。
買ったばかりのDELL U2720QM(4k 液晶モニター)でもDDMを使えるようになりました。
私が試してみたところ、途中、Macbookが起動しなくなるなどの不具合がありました。同じことが発生している方々のためにも情報共有します。
環境
- DELL U2720QM(4k 液晶モニター USB-C接続)
- Mitsubishi RDT272WX(2k 液晶モニター HDMI接続)
- Macbook Pro 13 (2019 Thunderbolt x 2モデル)
構成
Macbook ------USB-C------DELL U2720QM
|
---USB-C ---USB-C Hub---HDMI---Mitsubishi RDT272WX
不具合
不具合1: DDMがモニターを認識しない
MacへDDMをインストールしても、DDMはDELL U2720QMを認識できませんでした。
DELLの公式ウェブサイトを見ると、DDMを使うには、U2720QM本体に入っているファームウェアも更新して最新版にしないといけません。
ファームウェアを調べると最新版はM2T105であるのに対し、私のU2720QMはM2T104でした。
この罠にハマって、DDMが動かないことの原因調査に1時間かけてしまいました。 また、Lunar, Monitor ControlなどといったDDCソフトもインストールしてみたり・・・。
ファームウェアの変更点(M2T104 -> M2T105)
まさに、DDMを使うためのアップデートですね。
This version of FW added support for Mac OS Dell Display Manager (Mac DDM)
DDM for Mac(リンク先はこちら) のウェブサイトにも、"モニターのファームウェアを最新バージョンにアップデートしろ" と書いてあります。
This application requires monitor firmware updated to the latest version posted on Dell support site. Download the firmware package to update the firmware. Follow by installing DDM application. Do not run DDM while firmware installer is running.
最新版のDDM&ファームウェアは以下からダウンロードできます。
ファームウェア更新の画面
ファームウェアで20分は長すぎだろうと思いますが、私の環境でも実際に15分程度は"更新中"の状態になっていました。
不具合2: Macが再起動を繰り返す -> カーネルパニック
ファームウェアの更新を始めてから15分立った頃、画面が真っ暗になり、Macからこれまでに聞いたことのないファン音がしました。
一瞬だけ、ブォウンという音がして、そのまま応答なし。
しばらく待つと画面に再起動した旨の文字が出る(下記サイトと同じ)。
何回か再起動をしていたら、挙句の果てに・・・
円に斜線が入ったマークがMacの起動時に表示される
Mac使っていて、このような現象に出会ったのは初めてでした。
壊れたのかと焦りましたが、Windowsのブルースクリーンが出たときと同じものかと冷静になって、いつもの対処。
- 周辺機器をすべて外す
- セーフモードでの起動を試す(システム終了状態から電源を起動する時にShiftを押しっぱなしにする)
- セーフモードで起動したら、そのままシステム終了して再起動(セーフモードにはしない)
- 通常モードでMacが起動した後にモニターを接続すると、また、カーネルパニック
mac自体は正常起動できるが、macとモニターを接続するとカーネルパニックとなる。
このため、モニター側の対処も必要と判断。
不具合3: DELL U2720QMのリセット
DELL U2720QMは、以下の状態でした。
- 電源ボタンON(白色光点灯)
- 画面真っ黒
- PCやiPadとUSB-Cで接続しても反応しない
ファームウェア更新の途中で止まったのか、更新が正常に完了したのかはわからないまま。
調査すると「Dellモニターのファームウェアをアップデートするための手順」というのがありました。
警告として、以下の内容が書いてありました。
・モニターとPCの間のUSBアップストリーム ケーブルを接続します。この接続では、ドックやその他のデバイスを使用しないでください。
・ファームウェアをアップデートする前に、モニターから他のすべてのビデオおよびUSBケーブルを取り外してください。
・ノートパソコンまたはデスクトップから他のすべてのモニターを切断します。これにより、ファームウェア アップデートを実行しているときに、1つのモニターのみが接続されるようになります。
私がファームウェアをアップデートしたときには、USB-Cハブを装着したままでした。これが、今回の要因の一つかもしれないと後悔。ファームウェアをアップデートする前に読んでおくべき資料でした。
さらには、こんなことも記載がありました。
モニターをオフにし、電源コードを外して2~5秒待ってから、電源コードを再接続して、モニターを再びオンにします。
正常にファームウェアをアップデートした場合でも、モニター側で手順が必要となるみたい。
電源ボタンを長押ししてもモニターをオフにすることはできなかった(もともと真っ黒だし)ため、「電源コードを外して〜モニターを再びオン」までを実行。
モニターが再起動し、macとの接続も可能になりました。
アップデート、ふたたび
念のため、周辺機器を全部外してからファームウェアを上書き
再度、15分を過ぎたくらいでOSの強制再起動、丸に斜線(進入禁止マーク)となりました・・・。
周辺機器を全部外すというのは、根本の原因ではないようです。
復旧手順はわかっているので、macOSセーフモード〜正常起動〜モニターリセット を実施して、復旧。
ファームウェアとしては、新しいバージョン(M2T105)として認識されており、DDMも無事に動いているため、とりあえずの目的は達しました。
まとめ
- DDMとファームウェアは密接な関係、双方のバージョンを確認すること
- 別のページとなるが、DELLの公式手順を確認しよう
- ファームウェアのアップデートを甘く見てはいけない
(昔々、ハードディスクのファームアップしたら痛い目を見たのを思い出した)
追記1
成功事例
前回実施時との違いは以下のとおり。
- Kasperskyインターネットセキュリティを終了 (終了前にすべての設定を無効にしておく)
- 他の常駐ソフトも終了 (GoogleDrive, amphetamine, LINE等)
- ディスプレイに接続するケーブルは電源とThunderbolt3のみ。
- Intel Macではなく、M1 Macでファームウェアのアップデート
1つめの、Kasperskyを終了したことが功を奏したのだろうと予想しています。
追記2
U2720QM 画質の調整方法
抜粋