Interop2009Tokyoに行ってきました。
場所は幕張メッセ。
Interopとは
企業が必要としている最適なネットワーク環境の実現に不可欠な最新の基盤技術・製品群と、それを用いたリューションを展示し新たなビジネスチャンスを掴むための“ 出展社と来場者の最適なマッチング ”を提供する。それが、Interopです。(公式Webサイトより抜粋)
とのことですが、いつの間にか "企業向け" と定義されてしまったようです。
通信事業者はどうなった?! LTEとかWIMAXとか言ってたんですが・・・忘れてしまったのでしょうか。
それは置いといて、聴講した基調講演と印象に残った展示を紹介します。
<展示>
■ NTTコミュニケーションズ
"Setten" というクラウド環境の紹介。
クラウド環境としての展示では、データセンターにあるWebOSにブラウザからアクセスしてリモートデスクトップ環境を実現していた。今は第一弾の実証実験を しており、20くらいの企業が参加。年内に商用リリースを目指しているとのこと。認証の仕組みやWindows標準のリモートデスクトップとの差異点などについては 不明。おそらく、リモートデスクトップとの差異は、「クライアントOSがWindowsでなくてもクラウド環境を利用可能」と答えるだろうと推測される。
こちらは "Setten"を利用するための仮想ネットワーク技術とビジネスゲートウェイ(BGW)を展示。
仮想ネットワークとは、VPNを利用できる「箱」のこと。IP-VPNとEtherVPNの両方を設定で切り替えることができる。クライアントにソフトウェアをインストールして設定する手間が省けることが売りらしいが・・・箱を持ち運ぶ手間の方が大きいのでは?
BGWはホームゲートウェイ相当の装置に対して、遠隔から保守・監視ができるというもの。気になったのは、展示品にOSGiというキーワードが入っていた点。OSGiに対応しているのかどうか確認したところ、今のところはセンサー系をメインにOSGi対応はしているとのことであった。ただし、展示とOSGiとは無関係。
■ Softfront
展示のメインはSUPREE Vision PremierというNGNのアプリケーションを簡単に作ることのできるSDK。
Web画面上の左上のボックスであて先を選択すると、相手の場所が右下のGoogleMap上で表示される。そして、右上の接続ボタンを押すと左下の画面でTV電話ができるというデモ。
他にはIBMのSameTimeのWindowの中でTV電話が動作しているデモもあった。
Android向けのSIPスタック。フレームワークとライブラリを提供する。
すでに簡易のアプリを作って、Android Marketに出品している。ユーザ数は2000程度とこと。これがあれば、N90xiLのような無線LANでの内線と3G網を使った外線を同一端末で使うことができます。
Android G1です。はじめて触りました。Softfrontさんの電話アプリも動作してます。
■ NTTグループ
NTTとNTTDoCoMoが提案するデジタルサイネージ。
広告表示部分はNTTが、レコメンドシステムはDoCoMoが担当。
ユーザがディスプレイに近づくと、動きや人数、ディスプレイからの距離に応じて内容を変更します。
ディスプレイ前に人が居ない場合は、一般CMを流して、ディスプレイから離れたところに人が居る場合は、売り出し中の製品を表示する。
ディスプレイにユーザが近づいてきたら、より詳細な情報(細かい字)を表示する。
■ オックスプランニング
写真取り忘れました(涙
3MのVikuiti(リアープロジェクションフィルム)を展示。
ガラス面にマクロビーズレンズを粘着させ、背面からプロジェクターで投影することにより、ガラス面を大型スクリーンとして活用できる。ガラスを説明のお姉さんの形に裁断して、背面からお姉さんによる説明映像を投影していた。
■ Ericsson
EricssonはIPTV一色。
IPTVに何をValueAddedできるのかをアピールしていた。 IMSを使ったIPTVなので、つまりはコミュニケーション(メッセージ、電話、プレゼンス)を含めて付加価値を高める。IMSで顧客の行動履歴なども管理するといった様子。IMSの特徴(制約)をよくわかっているなと私は感じた。
HGWとしてEricsson製のものがおいてあり、この端末でDLNAを終端することで遠隔地から家庭内の端末を操作するように設計されている。ただし、日本市場はあまり考慮に入れていないようで、NTT-NGN対応もあまり考えていない様子。HGWそのものにSIMカードを刺せるようなスロットもある(ISIMの用途とは思うがヨーロッパでは使うのか??)。
他の展示品としてはTilgynとMotorolaのSTB、(Ericssonが買収した)Tandbergのエンコーダがおいてあった。
<基調講演>
世界市場における次世代IPTV展開に向けて(ユン チャオ・フー)
メインはOpenIPTVForumの説明。
2007年3月に設立した同団体であるが、既に参加企業は55社に達しており日本からもSONYやパナソニック、フナイなどが参画している。
2009年1月にRelease1のスペックが公開され、現在はRelease2の策定に取り掛かっている。Release2アーキテクチャは6/15の週に承認され、6月末~7月頭に公開される予定である。
Relase1では基本機能が主だったが、Release2ではパーソナル化、遠隔操作、FastChannelSwitchingなどを推し進める予定とのこと。
2009年末~2010初頭にかけてPlugFestsを予定している。 ここで試験するのはRelease1のimplement。
私見:
OpenIPTVForumが設立した当初から比べると、スケジュールには遅延が認められるが、勢力の拡大に関しては目を見張るものがある。OpenIPTVForumはEricssonが中心となっている団体であるが、ヨーロッパに限らず、日本やアメリカのベンダーもこぞって参加している。ポスト標準化の段階を実施する団体としては付け入る隙がまったくない。
現状でビジネスになっているのかは不透明(おそらくビジネスにはいたってない)だが、LTE+モバイル動画の時代がくると大ブレイクする可能性が高い。
DoCoMoのモバイル動画(BeeTV)が好調との話を耳にするとEricssonの戦略が功を奏する時期も来るのではないかと考えます。
他にも 夏野氏(元DoCoMo i-mode)とひろゆき氏(2ch、ニコ動)の対談などもありましたが、参加希望者が多くて満員。私は参加できませんでした。