概略
日本語での文章表現に焦点を当てた実用的な本。
企画、情報収集、情報整理、執筆、遂行のプロセスを中心に、詳細に解説している。
レビュー
ChatGPTなどの生成AIがあれば日本語を自分で書く必要はない、と考える向きもある。
しかし、ChatGPTにどう指示したら効率的に結果が出るのかを理解するうえで、この本が役に立った。
情報収集のところで、人にインタビューをする観点の内容は個人的には不要であった。
ポイント
内容の質を高める
- 読者の役に立つ内容
- 独自性がある内容
- 意外性がある内容
- 信頼性がある内容
- 即効性が期待できる内容
- 読者に関係のある内容
内容の質を高めない情報
逆に「引くべき情報」の5つの候補。
これらの情報は積極的に削っていく。
- 読者の役に立ちそうもない情報
- 独自性がない情報
- 意外性がない情報
- 再現性がない情報
- 信ぴょう性がない情報
残すべき情報
- 「仮タイトル」や企画の企画内容にひもづく情報
- 読者に「新しい気づき」を与える情報
目次案を作成する時点で、「仮タイトル」を作っておく。
仮タイトルと関係のない内容であれば「引く」候補。
文章を短くするポイント
- なくても意味が通じる言葉を削る
- 1文を60文字以内にする
- ワンセンテンス・ワンメッセージにする
- 情報量が多い場合は、箇条書きでまとめる
1の補足
なくても意味が通じる言葉
- 主語、指示語、形容詞、副詞、二重言葉、同じ言葉の繰り返し
- という、〜なこと、することができる
書き出し8パターン
- 会話から始める
- 動きのあるシーンから始める
- 疑問を投げかける
- 状況、現状を説明する
- 格言、名言を使う
- 意外な事実から始める
- 音から始める
- 損得勘定に訴える
句点
- カギカッコの文末にはつけない
- 注釈の丸カッコのあとにつける
- 著者名、クレジットなどを表記するときは、丸カッコの前につける
「が」と「は」の使い分け
- すでにわかっていること(既知の情報)には「は」
- まだわかっていないこと(未知の情報)には「が」
「は」の場合: 伝えたい情報は「は」のあと。
「が」の場合: 伝えたい情報は「が」の前。
推敲するときのチェック項目
- 書かれている内容に間違いがないか、論理が破綻していないかを点検する
- 文字を削って、1文を短くする
- 開業や空白行で余白をつくる
- 誤字・脱字をなくす(とくに固有名詞には注意)
- 句読点を適切に打つ
- 漢字、ひらがなの比率を適正にする(漢字対ひらがなの適正比率は2~3割対7~8割)
- 表記を統一する
- 用語を統一する
- 不快感をともなう表現、差別語を避ける
- 主語と述語の関係を見直す
- 重複表現を避ける
新聞の一面コラムの書き写し
おすすめな4つの理由
- 500~700文字と短く、短時間で写せる
- 時事問題のとらえ方がわかる
- 読み物として楽しめる
- 文章の構成力養成になる